角膜潰瘍とは?角膜潰瘍とは、眼の表面を覆う透明な組織である「角膜」に傷ができ、角膜の一部が欠損した状態です。犬では比較的よく見られる眼科疾患の一つで、放置すると傷が深くなり、重症例では角膜に穴が開いてしまうこともあります。このような症状はありませんか?・眼をショボショボする、前足で眼を擦る・片眼を閉じる・涙や眼脂が多い・白眼が赤い・黒眼の表面が白く濁るこのような症状がみられる場合、角膜潰瘍の可能性があります。角膜には多くの神経があり、痛覚は皮膚の300~400倍と言われます。角膜潰瘍の原因角膜潰瘍の原因には以下のようなものがあります。・草木や爪などによる外傷・シャンプーや異物の混入・逆さまつ毛・ドライアイ・細菌感染・眼瞼の異常特にパグやシーズー、フレンチ・ブルドックなどの眼が大きく突出している犬種は発症しやすい傾向にあります。症例紹介今回は患者様のKちゃんについて紹介します。こちらの症例紹介についてはオーナー様の快いご承諾とご協力に感謝いたします。【患者背景】犬(ビション・フリーゼ)、3歳11か月、去勢オス【主訴】右眼を気にして搔いている。また目が開けずらそうにしている。【検査、評価】右眼の眼球結膜に充血はなし、光刺激での縮瞳や散瞳に異常はなしフルオレセイン染色検査を実施、角膜にて広範囲に染色を認める。染色された角膜(眼の表面にある蛍光色が傷の範囲)【治療、経過】角膜保護剤であるヒアルロン酸点眼薬による治療を開始しました。また眼を擦り悪化しないようにエリザベスカラーを着用しました。1週間後に来院し、角膜潰瘍は完治していました。治療について角膜潰瘍の治療は傷の深さにより異なります。・角膜保護剤(ヒアルロン酸)の点眼・抗生剤の点眼(細菌の関与が疑われる場合)・エリザベスカラーの着用(眼を気にして掻き悪化を防ぐため)・傷が深い場合、瞬膜フラップ術や犬用コンタクトレンズ着用術などの外科治療・瞬膜フラップ術や犬用コンタクトレンズ着用術でも改善ない場合は、眼科専門病院にて角膜移植手術深い潰瘍の場合には、より専門的な治療が必要となります。ご家庭での注意点眼を気にしている場合は、人用の目薬などを使用せず早めに受診してください。特にステロイドを含む点眼は角膜潰瘍を悪化させる可能性があります。また眼を擦ることで傷が深くなることもあるため、自己判断で様子を見るのではなく早期の検査・治療が重要です。まとめ角膜潰瘍は早期発見・早期治療により良好な経過が期待できる病気です。愛犬が眼をショボショボしている、涙が多い、眼脂が増えたなどの症状が認められた場合、お気軽に相談下さい。